
はじめに|スキマ時間で稼げる?話題の「Amazon Flex」を本気で調べてみた
「好きな時間に働ける」「スマホで仕事を予約できる」――そんな自由な働き方として話題のAmazon Flex(アマゾンフレックス)。
個人事業主として登録し、自家用車で荷物を配達するだけで報酬がもらえると聞くと、「これなら自分にもできそう」と感じる人も多いはずです。
とはいえ気になるのは、“本当に利益が出るのか”という点。
ガソリン代や保険料、車の維持費を差し引いたら、どれだけ手元に残るのか?
そして「黒ナンバー」などの手続きも必要になると聞くけれど、実際どうなのか?
この記事では、Amazon Flexの契約内容・必要経費・収益シミュレーションをもとに、
個人事業主がスキマ時間で始めた場合、本当に儲かるのかを徹底的に調べました。
Amazon Flexとは?自分の都合で働ける個人事業主向けの配送プログラム
Amazon Flexは、Amazonが運営する個人事業主向けの配送プログラムです。
専用アプリで配送枠(ブロック)を予約し、倉庫で荷物を受け取って配達する仕組み。
配達完了後、報酬はアプリ上で自動計算され、最短で翌週に銀行口座へ振り込まれます。
最大の特徴は、完全フレックス制。
働く時間や曜日を自分で決められるため、「平日は在宅の本業に集中して、週末だけ稼働したい」といった柔軟な働き方が可能です。
契約形態は「業務委託」|自由度と自己責任のバランスに注意

Amazon Flexのドライバーは、Amazonと業務委託契約を結びます。
つまり、雇用契約ではなく「自分が事業主として仕事を請け負う」形です。
そのため、次のような特徴があります:
- 社会保険や労災保険の適用なし
- ガソリン代・車の維持費・保険料はすべて自己負担
- 配達中の事故・遅延は自己責任
一方で、ノルマやシフトの縛りがなく、
本業や在宅ワークと両立しやすいのは大きな魅力。
“働かされる”のではなく、自分で働く時間を決められる自由度が評価されています。
始める前に知っておきたい準備と条件|黒ナンバーが必須
Amazon Flexを始めるには、いくつかの条件と準備が必要です。
✅ 参加に必要なもの
- 普通自動車免許(AT限定可)
- スマートフォン(専用アプリ使用)
- 銀行口座(報酬振込用)
- 身分証明書(本人確認用)
🚗 車両条件
- 軽バンまたはSUV/ハッチバック
- 黒ナンバー(事業用ナンバー)の取得が必須
- 任意保険は「業務使用可」プランに加入
黒ナンバー取得は運輸支局への申請が必要ですが、
行政書士代行や「黒ナンバー付きカーリース」を利用すればスムーズです。
初期費用の目安は約2〜3万円で、想像より始めやすい印象でした。
詳しくは公式サイト:Amazon Flex
報酬の仕組み|1ブロック(4時間)で7,000〜9,000円が目安
Amazon Flexの報酬は「ブロック単位」で決まります。
- 1ブロック=約4時間の稼働
- 報酬:7,000〜9,000円前後(地域・時期によって変動)
- 実質時給換算:1,800〜2,200円程度
荷物の量によっては時間が延びることもありますが、
効率よくルートを回れれば、安定した時給2,000円クラスの副業になります。
報酬はアプリ上で自動計算され、翌週振込というスピード感も魅力です。
経費の現実|意外と見落としがちなコストとは?
Amazon Flexで利益を出すには、経費管理が欠かせません。
週3日(1日4時間)ペースで稼働した場合の想定コストは以下の通りです。
| 経費項目 | 内容 | 月間目安 |
|---|---|---|
| ガソリン代 | 約1日1,000円 × 12日 | 12,000円 |
| 任意保険(業務用) | 対人・対物無制限推奨 | 5,000円 |
| 車検・整備・オイル | 消耗品交換含む | 3,000円 |
| スマホ通信・バッテリー | アプリ通信・ナビ使用 | 2,000円 |
| 合計 | 約22,000円前後 |
💡黒ナンバー車は2年に1度の車検(6〜8万円前後)が必要。
年間3〜4万円相当のコストとして経費計上しておくと安心です。
確定申告では、これらの費用を「車両費」「通信費」として経費に計上できます。
freeeなどの会計ソフトを使えば自動仕訳も可能です。
収益シミュレーション|副業で実際にどれくらい残る?
調査をもとに、稼働パターン別の収益シミュレーションを行いました。
| 稼働パターン | 稼働回数(月) | 売上 | 経費 | 手取り利益(約) |
|---|---|---|---|---|
| 週2日(4h×2) | 8回 | 64,000円 | 15,000円 | 49,000円 |
| 週3日(4h×3) | 12回 | 96,000円 | 22,000円 | 74,000円 |
| 週5日(4h×5) | 20回 | 160,000円 | 30,000円 | 130,000円 |
結論として、スキマ時間を活かして月5〜8万円の副収入は十分に可能。
ただし、ブロックが取れない時期や天候などのリスクを考えると、
“安定的な収益”というより“波のある現金収入”と捉えるのが現実的です。
メリット・デメリットを整理|「自由を得る副業」として割り切れるか
✅ メリット
- 時間・曜日を完全に自分で選べる
- 在宅中心の仕事との両立がしやすい
- 経費計上による節税効果
- 「外に出て稼ぐ」ことでリフレッシュにもなる
❌ デメリット
- 経費や保険などの自己負担が多い
- 仕事枠(ブロック)が取れない日がある
- 天候や交通状況に左右されやすい
- 安定収入としてはやや不安定
結論|Amazon Flexは「自由を買う副業」だった
今回の調査から分かったのは、Amazon Flexは「大きく儲ける副業」ではなく、
“時間の自由を得ながら安定した副収入を得る”タイプの働き方だということ。
月数万円の利益でも、
- 仕事が減った時期の収入補填
- 在宅ワークの息抜き
- 税金対策としての経費化
など、活用の幅は広いです。
車とスマホがあれば始められ、経費処理も明確。
個人事業主にとって、現実的かつリスクの低い「第二の収入源」になることがわかりました。
とはいえ、新しく軽自動車を買ってまで始める副業ではないと感じました。
すでに車を持っていて、スキマ時間をうまく使いたい人にこそ向いている——そんな印象です。


